ほむほむと赤いコート

本屋で立ち読みした、今月号の『SPUR 』に
穂村弘さんのインタビューが載っていた。
インタビュー記事はあまり覚えてないのだけれど、
真新しい赤いコートと、何を考えているのかわからない表情が
なんともミスマッチで、すごく印象に残っている。


4月1日から始まって3月31日で終わる日記帳のエッセイ、
『にょっ記』が発売されてのインタビュー。
Amazonのレヴューには「ウソ日記」って書かれてたけど、
インタビューにはほとんど本当、って書かれていたような。
川上弘美さんの『東京日記 卵一個ぶんのお祝い。』みたいな感じ?

って、『にょっ記』って一体・・・。

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『砂漠』

最近、家ではめったにパソコンを開かなくなった。
読書もほとんどしなくなった。
でも頑張って読んださ。
伊坂幸太郎著『砂漠』。
今気づいたけど「裁く」と掛けてるのかなぁ。

なんというか、麻雀とラモーンズに興味がないので
ギャグや子ネタ以外、退屈に感じもしたけれど、
後半は楽しく一気に読んでしまった。

「大学の一年間なんてあっという間だ」入学、一人暮らし、新しい友人、麻雀、合コン…。学生生活を楽しむ五人の大学生が、社会という“砂漠”に囲まれた“オアシス”で超能力に遭遇し、不穏な犯罪者に翻弄され、まばたきする間に過ぎゆく日々を送っていく。パワーみなぎる、誰も知らない青春小説。 (Amazonのレビューより)らしい。

鳩麦さんの言った「頭のよい人の陥りやすい罠」が心に残る。

「賢くて、偉そうな人に限って、物事を要約したがるんだよ」
「超能力はこうだ、とか、信じる人はどうだ、とかね。たとえば、映画を、観ても、この映画のテーマは煮干しである、とかね、何でも要約しちゃうの。みんな一緒くたにして、本質を見抜こうとしちゃうわけ。実際は本質なんてさ、みんなばらばらで、ケースバイケースだと思うのに、要約して、分類したがる。そうすると自分の賢いことをアピールできるから、かも」

煮干しがテーマの映画って・・・。

それはともかく、物語の最後で、西嶋が今後何かの役で出てくるような空気を感じたのだけど、
彼が言う「やりたいこと」とは何なのか、ちょっと楽しみ。

今、まさにからからに乾いている「砂漠」にいて、
愚痴や嫌味、諦観や嘆息でまみれ、
そこで毎日必死にもがき、乗り切り、
そして、そのうち馴染んでいくに違いない私にとって、
とても意義ある読書だったように思う。

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積読

最近、何だかとても忙しい。
やっと年賀状を印刷しているところ。

さて、この本と雑誌の山、
いったいいつ消化するつもりなのか。
MOREとかついつい買っちゃうし、
穂村弘のエッセイがついているだけで
『暮しの手帖』買っちゃうし。

あぁ、勉強しないといけないのにぃ。PA0_0004

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男の人のエッセイ

最近、エッセイばかり読んでいる。

『いろんな気持ちが本当の気持ち』(長嶋有著, 筑摩書房)
を読み、描いていた「長嶋有」像をガラガラと崩された。
なんというか、物静かでまじめな人かと思っていた。

そして、その長嶋有さんや、川上弘美さんがエッセイで言及している
今、大注目という「穂村弘」のエッセイ、
本当はちがうんだ日記』(集英社)を読んだ。


43歳の歌人で翻訳家でエッセイスト(で、一般企業の総務課長)という著者が
自らのダメダメっぷりを
もう、感性豊かに書き上げている。

自虐的なことが感性豊かに(しかもすごい分析力)描かれていて
面白くないはずはない。

他の方の感想ブログを読むと、
「クスリ、と笑ってしまう」
と書いてあったりしたが、
私は抱腹絶倒、声を殺して大爆笑していた。

特に、P.62-65の「ツナ夫」が最高。
就労時間の途中に「ふわふわとハンガーのところに行って、上着のポケットからアーモンドを出して口に入れる」という「ふわふわ」という修飾もいいし、
アーモンドを口に含んでいる途中に電話が掛かってきたら、「ひとまずティッシュの箱の上に避難させて受話器を取る」というのも、
その電話の応対も笑える(「はい、あ、こちらは本社ではございませんので、はい、はい、ニーズがございませんので、はいはい、ニーズがございませんので、はい、はい、ニーズがございませんので、はい、はい、全くございませんので、はい、他を当たってください、はい、すみません」)。
会社の先輩、「コーノさん」のエピソードも可笑しい。

さて、この日記の冒頭、「エスプレッソ」では、
「今ここにいる私は「私のリハーサル」なのである。これはまだ本番ではない。」
と書かれてあるが、
ある日を境に本番が始まっている。
「あとがき」に書かれているのだけれど、
このエピソードが何とも歌人っぽくて、
感心してしまった。

母性本能くすぐられやすい人や
「オレってだめだなぁ」と落ち込みやすい人
などにオススメ。

久々に、「この本、手元に置いておきたいなぁ」と思った本。

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『女王様と私』を読了

『女王様と私』(歌野晶午, 角川書店)を読み終えた。
覚悟はしてたし、かなり疑いながら読んだけど、
やはり、思いもかけない展開に驚いた。

公式ホームページに書かれているあらすじ
「真藤数馬は冴えないオタクだ。無職でもちろん独身。でも「ひきこもり」ってやつじゃない。週1でビデオ屋にも行くし、秋葉原にも月1で出かけてる。今日も可愛い妹と楽しいデートの予定だったんだ。あの「女王様」に出逢うまでは。彼女との出逢いが、めくるめく悪夢への第一歩だった……。」

『葉桜・・・』より読みやすくて、
割とスラッと目が進む感じでオススメ。

主人公の妹、絵夢が語るときに使われる
ギャル文字(?)は、
最初、読みづらかったけど、

「ぢゃあ、ぁの子をたたくしかないでそ。とっちめるとゆうことぢゃないぉ。」
とか
「あっそ、ヮヵりましたぁ」
とか
「わかるにょ。ヶど、もう使っちゃうの?」
とかも慣れて、スラスラ読めるようになった。

ヶど目は痛い(笑)

読後感が悪い、キモい、という意見も多いようだけど、
私はあまり気にならなかった。
爽快感はないだろうけど。
世間的に見れば、救いのない物語だけど、
主人公の視点から見ると、
救いがないこともないような気も・・・。
どうだろう。

読み終わった後の、著者インタビューと
読者の感想を読むのが楽しかった。
賛否両論。まさに問題作。

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女王様と私

女王様と私』(歌野晶午著, 角川書店)
を読んでいる。
これは一体どうなるんだろう?

とりあえず、最初のトリック(?)は驚かなかった。
『葉桜・・・』で見事に騙されたので、
何かあるに違いないと、
相当疑ってかかったもんねー。

でも、きっと騙される私。
でもでも、
さっき、作者インタビューをチラッと見て、
なんとなくわかったような・・・(途中でやめたけど)。
あぁ。

ネタを知ってて読むミステリーほど
つまらないものはない。

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卵一個ぶんのお祝い。

『東京日記 卵一個ぶんのお祝い。』(川上弘美著, 平凡社)
を読んだ。

本当の日記らしい。
少なくとも五分の四くらいはほんとうらしい。

どうして、こんな味のある考えができるのだろう、
どうして、こんな妙なことが起こりうるんだろう、
って不思議に思える。
妙な人には妙なことが起こりやすいのだろうか。

すごく面白かった。
こんな大人の女性もいるのねぇ、と感心した。
友達が老若男女たくさんいて、
一人でもふらりと居酒屋に入って酒を飲み
(作家って大酒飲みの人しかなれないのだろうか)、
いろんな街を歩いて。

p.44の吉祥寺のやきとり屋「いせや」
のクリスマスイブと大晦日イブの記述と、
誕生日に白玉を作ってプレゼントしたり、
「ねえねえ、オクラごっこしようよ」(p.100)と言う
川上さんのお子さんに関する記述が印象深い。

毎日退屈、と言う人にオススメ。

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グラスホッパー

『グラスホッパー』(伊坂幸太郎著・角川書店)を読んだ。
押し屋や殺し屋やら自殺屋なら、
なんだか穏やかでない人たちがいっぱい出てきた。
殺しの場面とかかなり惨忍な描写で、
これは一体どうなるんだろう、と思うんだけど、
やっぱり期待は裏切らない終わり方でホッとした。

私は貧乏性なので、
いかなるジャンルの本であろうと、
どれだけ感心できる言葉があったか、とか
タメになる知識が得られたか、なんかも
大事。
誰かもそんなことを言ってたっけ。

この本で感心したのは
殺し屋の若者「蝉」が一家殺害の最後、主婦を殺す前に放った
「ホームレスっつっても、ホープレスじゃねえだろ」(P.41)
という言葉。

あと、「鈴木」の妻がバイキングで皿を山盛りにしている場面での言葉。
「わたしって、とにかく、一対一の勝負をしているの」
「料理の前に立ったらわたしは、『これが食べたいかどうか』って、問いかけるわけ」
「で、食べたければ、お皿に載せる。それだけ。一対一なんだから。
その結果、全体の量が多くなるとかそういうのは関係ないでしょ」(p.172)
なるほどね。そう言えばカッコいい。使える。

「その本」を逆に読むと『唾と蜜』だったり、
遭難救助にあたるセントバーナードが
首にウイスキーの樽をくくりつけてたり、というのも初めて知った。
へぇ。

一番感心したのは、公式ホームページの
ロングインタビューでの『グラスホッパー』の3大テーマ

・・・本文じゃないけど。

それにしても、「押し屋」の次男の孝次郎のしぐさが
小動物みたいでとてもかわいい。

『グラスホッパー』公式ホームページ
http://www.kadokawa.co.jp/sp/200407-07/index.html

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透明ポーラーベア

今話題の6人の男性作家が書いた恋愛小説のオムニバス、
『I LOVE YOU』(伊坂幸太郎、石田衣良、市川拓司、中田永一、中村航、本多孝好・祥伝社)を借りてみた。

伊坂幸太郎著の『透明ポーラーベア』を読んだけど、
いつもに増して切ない気がするのは
ミステリーではなく恋愛小説だからだろうか。

でも、愛すべき破天荒な脇役(主人公の姉)は
ちゃんと出てきて(『チルドレン』でいう陣内みたいな)
コミカルであり、諸悪の根源であり、読後感のよさにも一役買っている気がする。


うれしかったのは
『鴨とアヒル・・・』で、たまに出てきた動物園が
舞台になっていること(と、私は勝手に推測)。
女の子と車椅子の男の子の無邪気な二人(確か・・・)が
レッサーパンダの連れ去りを企んでいたあの動物園。
レッサーパンダのゲージについての括弧書きを読んで笑ってしまった。

切ないけど面白い。
面白いけど切ない。
面白いから余計に切ない、そんな物語。

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ララピポ

「ララピポ」(奥田英朗著, 幻冬舎)を読んだ。
図書館に行ったら新刊コーナーにあった。
先週、紀伊國屋に行ったときに
「あっ、奥田英朗の新作だ〜」と思って手に取ったものだった。
この前「サウスバウンド」を読み終えたばかりなのに。
カバーが鍵穴の形に切り抜かれていて、
ん?と思い、外してみたら何とも淫らなイラストだったので、
「次は官能小説でも書いたのか?」と訝しく思った。
ちなみに図書館の本はビニールでカバーごと1ミリの隙間もなくコーティングしてある。
初めの章を読み終えたときは、
サエない人たちのエロい話なのだろうか、と思ったけれど、
うーん、どんどん思いがけない展開になっていって、
かなり面白かった。
それぞれの章の主人公たちが、
盗聴やスカウトやAV女優やら女子高生やら
何かしらドツボにはまっていくのだけれど、
そのはまり方が「イン・ザ・プール」や「空中ブランコ」みたいで、
こっちまで引き込まれて行く感じだった。
違うのは伊良部先生みたいな正気に戻してくれる人がいないことと、
ちょっと救いがないことかな。

ところで「ララピポ」って何だろう、と思っていたんだけど、
わかった今では、なるほどねー、うまいなぁ、と感心。

そういえば今日、図書館に行って
英語のリスニングのトレーニングをしていた時のこと。
テキストに付いているCDを聞いていて、
日本に住んでいるネイティブ同士が、
「日本は外国人にとって住みやすいか」というお題で討論していていた。
NZ人の女性の発言の中に「ボランティア」というような言葉が出てくる。
ボランティア?
前後の会話に全くかみ合わない言葉だ。
何だろう?何度も繰り返し聞く。
どうも彼女が言っているのは

「私は平均的な日本人女性より背が高くて、"ボランティア"だから、ジロジロ見られるんだけど、それってとても・・・」というような内容だった。

「バランティア、ブランディア・・・ハッ! もしや!!」

そう、答えは「ブロンドヘアー」。
いやぁ、実に聞き取りづらかった。
確かに、「ブロンドヘアー」をそれらしく発音すると「ボランティア」に聞こえなくもない。
でもでも、よくよく考えるとアクセントの位置が違う。。。

英語耳への道は遠いなぁ。

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